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製品情報

工業用塗料

産業機械や鋼製家具、エレクトロニクス製品、車両など各種金属製品に幅広くご利用いただけます。被塗物・塗装工程に合わせた多種多様な製品をご提案しています。

粉体塗装における注意事項

1. 塗装前の注意
粉体塗料移送 短距離移送については、雨・水分等を避けるだけで問題はないが、遠距離移送の場合、直射日光・雨等を避けるため屋根付・シート付荷台で移送する。
粉体塗料の保管
  • 温度・湿度の低い屋内で床面への直置きは避ける。
  • ケースは4段積までにする。
  • 高レベリング形・低温硬化形等、特殊な粉体塗料を使用する場合、夏期には冷風倉庫での保管が必要な場合がある。
  • 一般粉体塗料の保管温度35℃以下
    (貯蓄安定性)《良》イノバックスH = P > G ≧ E《悪》
  • 保管期間
    適切な保管状態を維持していれば、1年以上の保管は可能であるが、通常は工場出荷より6ケ月以内に使用することが望ましい。
    【製品保証期間・・・6ケ月】
2. 塗装時の注意
塗装の準備
  • 粉体を取り扱う作業者(特に手動の場合)は、マスク・防塵服・静電靴を着用する。
  • 粉体塗料の開封
    ケースの開封は、集塵装置(ブース・排気ダクト等)の前で行い、ゴム手袋を用いて人体への吸引・付着をできるだけ避ける。残った塗料を再梱包するときは、ゴムバンド等で密封し元のケースにもどし所定の保管場所で保管する。
  • 塗料タンクへの投入
    タンクが完全に清掃されているか確認した後、袋ごと粉をほぐしながら、1ケース(10kg ro 15kg)単位で、半日及び1日分の使用量を一度に投入する。
手動塗装の手順
及び注意事項
  • 手動塗装の手順
    • 電源・エアーホース・塗料ホース・コンプレッサー・塗料等の確認。
    • 電源を入れる。
    • コンプレッサー圧のチェック→流動エアーの調整。
    • ガン吐出チェック(1次エアー圧と2次エアー圧とで調整)
    • 塗装電圧の調整。
    • 吐出パターンの調整。
    • 作業に入る。
  • 手動塗装の注意事項
    • 塗装仕上がりについて
      通常、ガンと被塗物の距離は 100mm~250mmで塗装されるが、あまり近づけ過ぎると静電反発が発生して塗装肌が悪くなる。しかし、塗着効率・作業性を考えると、150mm~200mmが最適となる。
    • 吐出量について
      通常、吐出量は 100g/分~250g/分 で塗装されているが、膜厚・作業性等の条件より、150g/分~200g/分が適切と思われる。
    • 印加電圧について
      コロナチャージの場合、電圧は -50KV ~ -100KV が一般的であるが、膜厚と被塗物の形状によりセットされる。一般的には平板等については、 -60KV ~ -100KV で塗装されるが、形状が入り込んだ被塗物の場合は、電圧を -40KV ~ -60KV に下げて粉をエアーにより送り込む方法である。 トリボチャージ(摩擦帯電方式)の場合、電流値が上がるよう(塗装機により違いがある)エアー圧を調整する。なお、塗料の種類により、電流値が上がらず塗着しないことがあるので、トリボ用粉体塗料を使用する。
    • 吐出パターンについて
      平面部の塗装は、パターンを広くする方が膜厚バランスは良くなるが、凹部の入り込みを要求する場合は、パターンを狭めたり特殊ノズルを使用するケースもある。
    • 手動塗装の場合は、吐出量・電圧・ガン距離・吐出パターン・被塗物の形状・コンベアスピード等を、塗装担当者が調整しながら、膜厚の均一な要求通りの製品に仕上げることが塗装のポイントとなる。
自動塗装の手順
及び注意事項
  • 自動塗装の手順
    • 電源・エアーホース・塗料ホース・コンプレッサー・塗料・レシプロケーター等のセッティング及び稼動確認。
    • 電源を入れる。
    • コンプレッサーを入れ、流動エアーを入れる。
    • 前もって決めてある電圧・吐出量に調整する。(一次エアー圧・二次エアー圧)
    • ガン距離・ガン角度を被塗物により調整する。
    • その日の被塗物とコンベアスピードにより、レシプロストローク・レシプロスピード・吐出量・吐出パターン等の調整をする。
    • 塗装作業に入る。
  • 自動塗装の注意事項

    自動塗装については、粉体塗装導入時、各被塗物別に塗装条件を設定しなくてはならないので、毎日の作業時には前もって入力している条件設定の確認が重要になる。ときに条件設定が誤れば、大量の製品不良が発生するため、過去のデータは十分に整理しておくことが大切である。

    • コンベアスピードについて
      自動塗装のコンベアスピードについては、あまり速くなると(3~4m/以上)レシプロスピードに無理が出たり、膜厚が不均一になったりする傾向があるので、当初のライン計画の段階で無理をしないことが大切である。
    • レシプロスピードについて
      レシプロスピードが速いと膜厚均一性が高くなるが、つき回り性・凹部の入り込み性が悪くなる。また、レシプロスピードの設定は、Max30m/分で、速くなりすぎると粉のあおりが出るので10~20m/分が好ましい。
    • レシプロストロークについて
      レシプロストロークは通常被塗物の長さよりも上下間でそれぞれ 100~200mm 長めにし、被塗物の長さによってストロークを調整する。最近では、ストロークを同一にしてガン吐出する際に自動的に一定のところで吐出をON・OFFする場合も増えてきた。
    • ガン角度について
      通常は、被塗物と直角にセットするが、被塗物の形状により上下左右いずれかに角度をつける方が、付き廻り・膜厚バランスが良くなる場合がある。また、レシプロだけでは塗装できない被塗物の場合は、固定ガンをある方向のみに設定して、自動化を計る方法も多い。
    • 自動塗装の場合は、同じ製品ばかり塗装するケースでは、塗装条件が一定しているので、膜厚均一性・塗着効率・付き廻り性等が良い方向に調整できるが、製品の種類が多種多様な場合は、膜厚が不均一になったり、塗り残しが出たりするケースが多い。当初、粉体塗装計画時には、この点をよく考慮して、塗装機器メーカー・塗料メーカーと協力の上、塗装条件設定には十分注意を払う必要がある。また、最近では塗料の改良(薄膜化・粒度分布の調整・帯電性改良・流動性の改良等)が進んだこと、塗装機器メーカーでも摩擦帯電方法の開発・吐出量制御・ロボットの採用等、粉体塗装周辺技術も充実してきたので、工業用塗装分野における粉体の自動化工場が増えてきた。
3. 焼付時の注意事項
粉体塗料の
焼付条件
使用する塗料の標準焼付条件により焼付を行うが、被塗物温度で設定する。熱容量の異なる被塗物を同時に焼き付ける場合は、熱容量の大きい被塗物の焼付条件に合わせる。標準焼付条件に比べ高温短時間及び、低温長時間の条件を選ぶことも可能である。
焼甘・焼き過ぎに
対する注意
  • 基本的には、炉を設置した階段で炉内温度と、被塗物温度との関係を調べておく。(冬場と夏場と大きく異なるケースがあるので注意する)
  • 標準焼付条件は、通常かなり余裕を持った数字であるので、焼甘が発生した場合は、炉温・コンベアスピードにかなり無理があると思われる。焼甘の場合は著しく衝撃性・屈曲性が低下するので簡単に見分けられる。ユーザー側で焼甘評価方法を決めておくと便利である。
  • 焼き過ぎの場合は、黄変・変色という外観上の異状が現れるため、焼甘に比べて発見しやすい。ここで、問題になるのは、板厚が薄いものと厚いものが同時に焼付される場合である。一般的には、1・程度の鉄板と5~6・の鉄板が同時に乾燥炉に入った場合でも、色差は、△E0.2~0.3以下程度である。しかし、被塗物の熱容量、塗料の耐熱性により、色差が拡大されることがある。一般的には、塗料の標準焼付時間の二倍程度の範囲内であれば、影響はほとんどない。また、高温焼付塗料の方が低温焼付塗料より、常識的に見ても耐熱性は良好といえる。
4. 塗装後の注意事項
塗装設備 塗料ホース、配管時はエアーブローにより洗浄し、残留塗料のないようにする。ブース開口部は扉を閉め、外部からのゴミ・ホコリ等異物の混入を避ける。各塗装機器のスイッチをOFFにしているか確認する。
使用塗料の保管 タンク内の残塗料、回収塗料は別々に排出し、容器にゴムバンド等で密閉して湿気のない、出来るだけ低温の保管場所に移す。新粉と回収粉の区別をはっきりとさせておく。
衛生 体に付着した塗料は、エアーブローし、手・顔は石鹸で洗い、うがいを心がけることが大切である。

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